スナップ(3):京都五山、山門と三門2013年11月30日

 庭園拝観や桜・梅・紅葉の時期などに寺院をよく訪れるのですが、その度に「京都五山とは?」、「山門と三門の違いは?」と思うことがありました。そこで一度調べて整理しておきたいと思います。

京都五山とは: 
 五山の制度は印度の五精舎にならい、中国南宗末期に禅宗の保護と統制のため格式高い五つの寺を定めたことに由来する。南宋から帰国した僧侶栄西らによって伝えられた禅宗はその後隆盛を極め、鎌倉時代の末期、幕府は次々と大寺院を建立。 鎌倉五山とは、鎌倉時代に中国の五山制度にならって鎌倉の禅寺に設けられた五大官寺のこと。北条氏は、南宋にならい五山制度を導入、鎌倉の主な禅刹を五山と 呼ぶようになり、鎌倉幕府滅亡後の室町初期には鎌倉・京都それぞれに五山が定められ、それに次ぐ十刹と緒山が選ばれて制度が定着したといわれる。その後たびたびの改定を経て、室町時代の1386(至徳3)年に、3代将軍の足利義満により、五山の上に南禅寺がおかれ、相国寺を創建し相国寺を第一位、天龍寺を第二位とする順位変更が行われたが、義満没後の1410(応永17)年に元に戻された。もともとは、寺を格付け管理するための足利氏の政治政略的な格付け、官が任命権をもって順次格式の高い寺に昇任させる制度である。

        京都五山の上   :南禅寺 (なんぜんじ)、臨済宗南禅寺派大本山
        京都五山の第一位:天龍寺(てんりゅうじ)、臨済宗天龍寺派大本山
        京都五山の第二位:相国寺(しょうこくじ)、臨済宗相国寺派大本山
        京都五山の第三位:建仁寺(けんにんじ)、臨済宗建仁寺派大本山
        京都五山の第四位:東福寺(とうふくじ)、臨済宗東福寺派大本山
        京都五山の第五位:万寿寺(まんじゅじ)、現在は臨済宗東福寺の塔頭

山門と三門の違い:
  山門は正式には三解脱門(さんげだつもん)といいます。三つの解脱=さとりを求める者、簡単に言えば「仏教を学ぼうとするもの」だけがここを通って中の諸堂に入る事を許される暗黙の関所の役割をしています。
  寺院には必ずといっていいほど山号がついています。昔の寺院が山にあったその名残りだといわれています。お寺のある山に入山するときに通る「山にある門」が山門です。
  三門というのは、昔の大きな寺院は正面の門のほかに左右にも門があり、正面門(多くは南向きの大門)と東門、西門を三門と呼んだようです。山門と三門の両方がある寺院もあるようです。

 ・・・・あまり深く掘り下げると頭が痛くなるのでこれまでにしておきます。